【イベントレポート】「しながわ新規事業創出(事業共創)プログラム」キックオフ  ~品川区のものづくり企業と共に革新的ビジネスを共創可能なスタートアップを募集!~

イベントレポート 2022.8.10

【イベントレポート】「しながわ新規事業創出(事業共創)プログラム」キックオフ  ~品川区のものづくり企業と共に革新的ビジネスを共創可能なスタートアップを募集!~

開催日

2022年08月05日

会場

SHIP 多目的室

参加費

無料

詳細

今年が初開催の「しながわ新規事業創出(事業共創)プログラム」は、品川区内のものづくり企業と全国のスタートアップとの協業を支援する約10ヶ月のプログラム。今回は、本プログラムに採択された品川区内の中小企業4社が協業先スタートアップの募集に向け、キックオフを行いました。その内容をレポートします。

特定の技術や取引先ネットワークを持つ中小企業と、共創できるチャンス

「しながわ新規事業創出(事業共創)プログラム」は、ものづくりの中小企業にとって自社単独では難しい新規事業創出や課題解決のために、革新的なアイデアや技術を持つスタートアップから提案を募集。

3回の選考を経て12月上旬までに協業先をマッチングさせ、事業化に向けた実証実験を行い、3月に成果発表会を実施していくというもの。また、実証実験の費用などについて、一部サポートを受けることができます。

企画・運営を担うCreww株式会社では、自治体等と共に地域企業とスタートアップのオープンイノベーションを推進するプログラムを約10年間で270回以上行っており、多様な実績とノウハウを蓄積しています。

今回の「しながわ新規事業創出(事業共創)プログラム」では、参加を決めた品川区内のものづくり企業4社と、このキックオフに向けて

・自社が抱える課題やニーズ

・スタートアップと実現したいこと(募集テーマ)

・スタートアップが活用できるリソース

を時間をかけて言語化し、協業先スタートアップの募集ページを作成しました。

募集ページ:https://growth.creww.me/f5a621da-07d4-11ed-8935-ffc1985cda95.html

キックオフ当日は、主催する品川区の遠藤 商業・ものづくり課長の挨拶を皮切りに、参加する品川区内の中小企業4社が募集ページの内容に沿って、自社の概要やチームメンバー紹介、意気込みを発表。

1社目の「永楽電気株式会社」は鉄道会社に駅ホームや沿線の放送・通信設備を提供している会社。障がいのある方や外国人利用客などへの配慮も含め、鉄道の新たな利用体験向上や、機器設置作業の改良アイデアを求めています。

2社目の「株式会社伸光製作所」は樹脂精密切削加工会社。防水と軽量化に強みを持つ樹脂部品で、ハードウェアスタートアップの開発支援や、自社の見積予測や目視検査など、製造工程の自動化を希望しています。

3社目の「株式会社吉村」は、茶業界中心の軟包装パッケージメーカーで約7000社の販路を持ち、茶器や食品の企画製造販売も実施。包装資材の新たな活用や環境対策、日本茶のリブランディングを目指します。

4社目の「株式会社勝亦電機製作所」は配電盤メーカーで、受配電・監視・制御のため、年間約300面以上を設置。屋上や壁面、室内に置かれる配電盤への機能追加アイデアや、他分野への技術展開をイメージしています。

また、いずれの会社も、自社工程のデジタル化、自動化等による生産性向上の仕組みづくりは求めており、それを自社が強みを持つ業界に事業展開するような可能性にも興味を持っています。

次いで、Creww株式会社の代表取締役 伊地知 天 氏が、協業するうえで知っておきたい、スタートアップの特性や選考するうえで役立つ考え方などがレクチャーされました。たとえば、PayPalの創始者であるピーター・ティールの「タイプライターを量産するのは大手企業に任せればよく、そこからワープロやパソコンなど垂直方向へ進化させるのがスタートアップの使命」という言葉を紹介。また、スタートアップは大勢に好かれるものより、一部の層に愛される、ニッチな市場を独占するのが先で、その後に周辺領域へ市場を拡大するもの。なので、初期のスタートアップは一見すると大したことがないように見え、評価するのは難しい。その価値の本質を見なければならない、といった話がありました。

最後に、Crewwのプログラム担当者より、今後の流れとやるべきことのポイントの説明がありました。たとえば、選考で見るべきポイントとしては、提案内容とそのスタートアップのビジネス自体、それぞれの魅力を見極め、優先順位をつけていくこと。また、プログラムを成功させるポイントは「迅速なレスポンス」「対等な立場」「実行体制の構築」。つまり、やり取りするときにはスタートアップ側のスピード感に沿って迅速なレスポンスを心がけること。下請けや委託業者ではなく、対等な立場で意見を出し合うこと。その案件をスピーディに世に出すために、社内のチームや展開させる仕組みなどを作っておくことが重要だといった説明がありました。参加企業からはさらに質問も飛び出し、スタートアップというものを理解し、良い協業につなげたいという意欲が感じられました。

本プログラムでは、8月8日(金)から26日(金)まで、協業したいスタートアップからの提案を募っています。詳しくは、https://growth.creww.me/f5a621da-07d4-11ed-8935-ffc1985cda95.htmlをご覧ください。

執筆者

取材ライター

久保田 かおる

インタビューはリラックスムードで楽しく。原稿では、難しいことも分かりやすく伝えるのがモットーです。

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