西大井創業支援センター恒例のイベント「オープン起業カフェ」で、初の「エンジニア×起業家交流会」を開催
開催日
2022年11月21日
会場
西大井創業支援センター
参加費
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詳細
JR西大井駅徒歩1分の西大井創業支援センターでは、月額会員になると登記やインキュベーションマネージャーとの継続的な1on1もできますが、起業に興味がある方にも気軽に来てもらえるよう、非会員でも参加できる「オープン起業カフェ」を毎月開催。先輩起業家とのフランクな雑談の場として人気です。今回は、2022年11月21日に開催された、「エンジニア」にスポットを当てた、起業家との交流会の様子を紹介します。
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集まったのは起業に向けて動いている、あるいはすでに起業済みのエンジニアたち、11名ほど。そこに、(一社)五反田バレー 理事で自身も2021年11月に株式会社Hiwayを設立し、Co-Founder COOを務める中村岳人さんと、五反田バレー参画企業 コグラフ株式会社で代表取締役を務める森善隆さんも加わりました。
ちなみにコグラフ森さんはエンジニア出身社長で会社設立から12年、Hiway中村さんは非エンジニアで、スタートアップの組織立ち上げや広報、CSに長けている、という立場での参加です。
起業カフェの進行は、西大井創業支援センターの野田賀一センター長。非エンジニアの目線から、エンジニアにとっての起業やビジネスについての悩みや裏話を引き出していきます。最初に施設説明として、2022年2月にリニューアルオープンしたこと、起業前から起業して3年未満の方への伴走支援を行っていること、東京都中小企業振興公社出身のインキュベーションマネージャーもいるため助成金関係のアドバイスが手厚いことなどが紹介されました。
そうして、参加者が1人ずつ自己紹介。エンジニアとしての専門領域や経験、得意なプログラミング言語、西大井創業支援センターとの関わりや起業フェーズについてなど、ざっくばらんに進められました。
一部を紹介すると、参加者はこのような方たち。
●リニューアル前の西大井創業支援センターから、今はSHIP(品川産業支援交流施設)に入居中の、6期目になるヘテロDB株式会社を経営。起業前は大手SIerで10年以上、オープンソースのフロントエンド開発に従事。現在はGPUを使ってデータベースを高速化する技術で、製品提供とコンサルティングを1:2の割合で展開。
●学生時代から起業経験のある未踏出身者。西大井創業支援センター一期生で、現在は個人事業主。フロントからアプリケーション開発、サーバ構築、ブロックチェーン、Web3.0など、フルスタックエンジニア。
●3年前にダイナミックプライシング事業で起業し、現在はメディア運営支援事業を立ち上げ、天王洲創業支援センターに入居。開発から営業まで幅広く奮闘中。
●量子コンピュータ研究で未踏ターゲット事業に参加中で、それを終えたら起業予定。得意な言語・ライブラリはPythonとQiskit。
そうしてメインのフリートークとなり、ざっくり用意したトークテーマから、まず「起業のキッカケ」について。
「めんどくさがりなので、サラリーマン時代からチェックツールや自動化など、自分でコードを書いて効率化。時間単価はプログラムやコードでN倍にできると考え、収入アップを目指して、時短の積み重ねで捻出した時間を使って準備し、起業」という話が出ると、学生起業経験者から「たしかに、エンジニアには怠惰という才能が必要。ただ、プログラムするだけで人に使ってもらうのは難しくて、運用が大事。それで自分はビジネスを志向するようになった」という声が。
また、「起業時苦労したこと」については、「起業前の勤務経験はけっこうあったが、それでも法務関連や資金調達、ファイナンスの知識はなかったので、後から考えると、もっと良い選択肢はあったかもと思う。あえて苦労といえば顧客開拓で、自社サービスを持たず利益率の高い商材を扱うセールス特化の会社との差別化は心がけた。もともと所属していた人工知能学会などの伝手で紹介してもらうことは、創業当初はやっていた」といった話がありました。
「エンジニアあるある」というテーマでは、「独り言の声が大きい」「サービスリリースや保守で夜型に」「職場にいつもいるので、主になる」などの声があり、「何か聞くと、全て合理的に解釈」という話から、「お客さんに話を盛りがちな営業との違い」で話が盛り上がる場面も。また、「集中力の高さ」に話題が移ると、つい最近、11月頭にサンフランシスコで開催されたブロックチェーンハッカソンに現地参戦してきた参加者から、その様子を報告。睡眠時間込みの37時間でソフトウェアの企画開発を競い、ゾーンに入ったという話に興味が集中して、改めて本イベントの最後に時間を取って、詳しい報告もなされました。
「資金調達よもやまばなし」では、いわゆるエクイティファイナンスではなく、公的助成金を活用してきたという話で、「日本は起業したい人の後押しをしてくれる制度が意外にある」として、技術開発の人件費や設備投資に補填できる補助金・助成金などが、キャッシュフローが安定しない創業期には助けになるという声がありました。また、利用経験のある参加者から品川区の「特許権取得費助成」が紹介されました。対象経費の2/3以内で最大20万円が助成されるもので、知財は企業価値に直結するが初期投資としては大きいので、助成制度の活用はお勧め。また、出願料に対する助成に限る自治体が多いなか、品川区の制度は審査請求(出願から3年以内)料や登録料も対象になっているという耳寄りな情報もありました(令和4年度分は終了)。
ほか、共同創業者間での株の持分に関する話題や、エンジニア経営者に売り込んでくるCxOの力量の見極めについて(10→100の実績が0→10で通用するとは限らない)など、場が和むにつれ、経験者ならではのリアルな話も続出。「エンジニア」をキーワードに、良い関係構築や情報共有がなされて盛況のなか、散会となりました。
西大井創業支援センターでは今後もこのような、起業に役立つイベントなどを随時行っていきます。また、創業をお考えの方ならどなたでも利用できる無料相談も受け付けていますので、気軽にお問い合わせください。