【イベントレポート】約6ヶ月のプログラムを通して磨いてきたプロダクトやビジネスプランを発表「五反田バレーアクセラレーションプログラムDemoDay」
開催日
2024年03月15日
会場
大崎ブライトコアホール
参加費
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詳細
品川区が、スタートアップの集積地としての「五反田バレー」の認知度アップや地域活力の向上、区内産業全体の活性化を目指して行っている「五反田バレーアクセラレーションプログラム2023」。株式会社ゼロワンブースターのプロデュースで、2023年9月にKick-Offイベントを行い、2024年2月までに全6回の研修とグループメンタリングを実施し、資金調達や大手企業との連携に向けたイベントも随時開催してきました。今回は、2024年3月15日に大崎ブライトコアホールで開催された、集大成となるDemo Dayの様子を紹介します。
VCや大手企業とのネットワーク強化で、スケールに向けて新たなスタート!
2020年度から毎年開催の「五反田バレーアクセラレーションプログラム」。第4期となる今年度はスタートアップ19社が参加して、約6ヶ月間のプログラムでビジネスプランやプロダクトをブラッシュアップ。毎月の研修ごとのミニピッチ&互いのフィードバックで受講者同士の交流が活発に行われ、資金調達やスケールに伴う組織運営などをより意識したプログラムが実施されました。
そうして開催されたDemo Dayでは、パートナー企業およびスタートアップとの連携に関心のあるVC・大手企業も多数参加して、1社5分で事業プレゼンテーションのピッチが行われました。今後の連携や資金調達に役立つ示唆が得られるよう、スタートアップが1社発表するごとに、パートナー企業1社から感想や意見が述べられるスタイルで進められます。
前半は10社がピッチを実施。「ごみを運ばず、燃やさず、資源化する分散型アップサイクルインフラサービス」「実験データ管理のDXプラットフォーム」「生成AI駆動のチャットノベルゲーム」「出産前から夫婦協働に導く育児の見える化ツール」「実情把握でテレワークを推進する、クラウドログツール」などが発表されました。
それらに対し、パートナー企業やVCからは「実際にサービスにも触れさせてもらったが興味深い。今後もマネタイズや市場の拡大など進めていくなかで、ぜひ応援していきたい」「関連市場が●兆円ということなのでアプローチをさらに広げ、より多くを取りにいってもらいたい」「競合が多そうなレッドオーシャン市場ながら、独自のコンセプトによるプロダクトで存在感が感じられ、期待している」「自身が感じた課題から発展されたプロダクトなのがよい。解かれるべき社会課題だと個人的にも思うので、経済的リターンのためだけでなく、いろいろ応援していきたい」「Kick-Offのピッチから、ビジネスモデルとして成長を感じた。いろいろな業界・業態やサイズ感の企業の課題解決につなげられそうだと期待している」などと、プログラム修了後も引き続き支援・応援を申し出られるコメントが多く見られました。
また、後半のピッチに先立ち、品川区の森澤恭子区長からの挨拶がありました。そのなかで、品川区では当日会場のSHIP(品川区創業支援施設)をはじめ、武蔵小山、西大井などの各創業支援センターにおいて、起業家やその予備軍を対象とした支援策を数多く取り揃えていること。また、2024年度にはスタートアップ創業支援担当課長を創設して、五反田バレーを中心としたエコシステムの形成やスタートアップ支援にもさらに取り組んでいくといった話が披露されました。
そして後半は8社のピッチが行われました。その内容は「紙資料やファイル、オンラインドキュメントの一括検索ツール」「人的資本の見える化アプリ」「企業向けYouTubeマーケティング学習サービス」「世界のトイブランドを目指す知育/発達支援ブロック」といったもの。これらにもそれぞれ、パートナー企業やVCから、前半同様あたたかく応援する声が寄せられました。
そして、この6ヶ月を見守ってきたゼロワンブースター 平岡仁志氏の総評では「多くの成果が感じられる発表だった。ぜひ、この約半年間の経験や同じフェーズの仲間と共有した体験を中長期に生かしてもらいたい」「『金魚を飼うときには水が大事』という松下幸之助の言葉に学べば、金魚は起業家であり、水は支援者側の行政や企業であると。本日集まったVC・事業会社の方々もぜひこの後の交流会で1人でも多くの起業家に声がけいただきたい」といった話がありました。
その後はホワイエに移動し、最後の交流会がもたれました。受講者とVC・事業会社間の名刺交換とともに、受講者や運営スタッフ間のねぎらいの言葉などが多数飛び交って、活気にあふれた様子。(社)五反田バレー 理事の中村岳人氏による閉会挨拶でお開きとなるまで、にぎやかな会話が続き、新たな交流も生まれていました。
執筆者
取材ライター
久保田 かおる
インタビューはリラックスムードで楽しく。原稿では、難しいことも分かりやすく伝えるのがモットーです。