【全国のスタートアップ支援推進都市が品川区に集結!】 品川区×福岡市×鹿児島市の首長がスタートアップ・エコシステム連携の魅力や展望をディスカッション!「JAPAN STARTUP SELECTION – the 11th Edition -」

イベントレポート 2025.3.14

【全国のスタートアップ支援推進都市が品川区に集結!】 品川区×福岡市×鹿児島市の首長がスタートアップ・エコシステム連携の魅力や展望をディスカッション!「JAPAN STARTUP SELECTION – the 11th Edition -」

開催日

2025年01月30日

会場

五反田産業文化施設(CITY HALL&GALLERY GOTANDA)

参加費

詳細

品川区では、2025年度よりスタートアップ都市推進協議会に加盟を予定しています。それに先立って、同協議会が主催する「JAPAN STARTUP SELECTION – the 11th Edition -」が2025年1月30日に五反田産業文化施設(CITY HALL&GALLERY GOTANDA)で開催されました。その中で行われた、品川区 森澤 恭子 区長が登壇したトークセッション「スタートアップエコシステム連携、その先に」の様子をレポートします。

 

11の自治体から成るスタートアップ都市推進協議会のイベントを品川区で開催

「JAPAN STARTUP SELECTION」は、スタートアップ都市推進協議会の加盟自治体ならびにスタートアップ企業と全国の事業会社、投資家などとのビジネスマッチングを促進するイベントです。2013年に同協議会が発足してからの10年間で参加スタートアップは200社以上。第11回目となる今回は全国11の自治体から31社のスタートアップ企業がブース出展を行いました。会場となった五反田産業文化施設(CITY HALL&GALLERY GOTANDA)は、2025年度より同協議会に加盟する品川区が運営するホールです。

プログラムは、スタートアップ都市推進協議会の会長を務める福岡市 高島 宗一郎 市長の開会あいさつでスタート。
「本協議会は、日本をチャレンジする人や企業が尊敬されるような国にしていこうという思いから、首長起点でできている。また、日本にまだないようなビジネスやサービスを展開したいなら、一定の規制緩和や地域との調整などに協力的な自治体でやるべき。本協議会は、首長中心にスタートアップがどんどん活躍できるフィールドを創っていこうという自治体の集まりなので、その考えや取り組みを知って、今後の事業展開の参考にしてもらいたい」といった話がありました。

品川×福岡×鹿児島で、スタートアップエコシステムの未来を語る

次いで、トークセッション「スタートアップエコシステム連携、その先に」が行われました。パネリストは、鹿児島市 下鶴 隆央 市長、福岡市 高島市長、そして品川区 森澤区長の3名で、モデレーターは(一社)スタートアップエコシステム協会 代表理事の藤本あゆみ氏が務めました。

最初に自己紹介を兼ねて各都市のスタートアップ支援の概要が語られました。なかでも品川区では、森澤区長自身のスタートアップ勤務経験もあって、そのスピード感を行政にも活かしたいと考えて区政を運営していること。品川区も2025年度よりスタートアップ都市推進協議会に加入すること。そして、チャレンジを応援する街として「品川区スタートアップエコシステム」を運営・推進していることが、着用のロゴ入りTシャツとともにアピールされました。

さらに各都市の取り組みが紹介されました。
福岡市では、「Fukuoka Growth Next(fgn.)」という日本最大級のスタートアップ支援施設および組織を2017年に作り、2018年には社会課題解決に民間のノウハウを活かすための公民連携窓口「mirai@(ミライアット)」がスタート。GG.SUPLYやベンナーズなど、ソーシャルスタートアップが多数生まれているとのこと。

品川区からは、五反田バレーを中心に大手企業との連携を推進。ものづくり企業や商店街、子育て世代の多い土地柄のため、そうしたテーマで連携をより強化しようとしていること。また、第13回を数える「ウーマンズビジネスグランプリ」などにより女性の起業を応援したり、起業家が講師を務める小中学生向け「アントレプレナーシップサマースクール」の開催を始めたりしていることを紹介。

そして鹿児島市では、インキュベーション施設「mark MEIZAN(マークメイザン)」でクリエイター、エンジニア、起業家の交流や事業成長、アイデアの社会実装を推進。
たとえば、「和牛日本一鹿児島」を彼らの力を交えて付加価値をつけて発信したりしている。また、市と県でも施策で連携したり、地元起業家による民間主導の起業家育成プログラムとも連携したりと、さまざまなリソースを動員してスタートアップ支援に取り組んでいるとのこと。

すると、その発言を受けて高島市長から、行政のスタートアップ支援で見逃されがちだが、デザインという観点は大事。
また、エンジニアへの支援では、拠点を作り、表彰などでプレゼンスを高めるなど、居場所づくりが大事だと考え、福岡市では、fgn内の「スタートアップカフェ」とは別に「エンジニアカフェ」を作って、そうした取り組みを行っているという話がありました。

一方、森澤品川区長からは、行政がハブになるのは大事。地域や大企業とスタートアップをつなげることや、規制緩和などは行政だからこそできることなので、品川区としてもハブになって後押ししていきたいという話がありました。

都市間で連携し、スタートアップ支援を通して日本や世界を元気に

次に、自治体間でのコラボレーションに話題が移ると、昨年10月にfgnで開催した「品川区×福岡市スタートアップエコシステム拠点都市連携イベント」の話となり、互いの地方にスタートアップが進出する際はそれぞれの都市を拠点にしやすくなるし、施策についても地域ごとの特徴や強みを参考にしていきたいとのこと。そしてイベント後には実際、すでに品川区のスタートアップ2社が福岡市でイベントを開催するなど、交流が深まっているといいます。

また、鹿児島市では本協議会の枠組みが役立っているそう。fgnへの出展を賞品にしてビジネスコンテストを開催したり、福岡市が九州各地のスタートアップを集めて開催した「STARTUP KYUSHU」に参加して、鹿児島市のVCが他の都市のVCとつながって案件が広がったといった成果を挙げているとのことでした。

そのほか、各自治体としてスタートアップやエコシステムのプレイヤーに望むことなどがディスカッションされ、最後に以下のようなメッセージでトークセッションは締めくくられました。

下鶴市長「この協議会でいろいろな都市とのつながりを活かし、社会課題解決のために全力でスタートアップの皆さんにフィールドを提供していきたい。ほどよく都会で田舎であり、さまざまな社会課題が集まっている鹿児島に注目してください」

森澤区長「東京に進出を考えるスタートアップの皆さんはぜひ、まず品川区に相談してください。施設や各種支援を充実させてお待ちしています。また、各都市で元気なスタートアップが多数生まれ、そこが活力となって日本全体をより良く、元気にしていくのを応援していきます」

高島市長「日本を楽しい国として、次世代に引き継いでいきたい。プレイヤーであるスタートアップが覚悟を持って、面白いサービスを創り、雇用や税収も生み出しながら、世界の価値を変えてくれることを期待しています。一緒に面白い日本を、世界を創っていきましょう」

執筆者

取材ライター

久保田 かおる

インタビューはリラックスムードで楽しく。原稿では、難しいことも分かりやすく伝えるのがモットーです。

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